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ご協力先の紹介

近畿大学農学部では、ICT(情報通信技術)を活用したメロンの立体栽培を行っています。メロンは糖度を上げるため、1株につき1玉だけを残し、他の実は摘果する必要があります。今回は、近畿大学農学部のご協力のもと、その「摘果メロン」を動物たちにお届けします。

お話いただいた方:野々村教授

大学名:近畿大学 農学部

研究室:植物病理学

教授名:野々村 照雄

所在地:奈良県奈良市中町3327-204

公式HP: https://www.kindai.ac.jp/agriculture/

近畿大学農学部の研究内容

近畿大学農学部では、植物を病気から守るための研究を行っています。特に、多種多様な植物(農作物、花卉、雑草、樹木など)に発生し、身近な植物病害である「うどんこ病」(Powdery mildews)に注目し、うどんこ病からメロン、イチゴ、バラおよびトマトを守るために、化学農薬のみに依存しない新たな防除法の開発を目指しています。

研究では、主に、顕微鏡、静電気および遺伝子工学技術を利用して、うどんこ病菌の形態や植物での感染行動を観察・解析しています。また、うどんこ病菌(カビ)は菌叢(きんそう)から子孫胞子を放出・飛散させることで、感染を拡大していきます(二次感染)。そのため、植物を温室で栽培し、うどんこ病の発生調査も行っています。

ICTメロン栽培の仕組み

私たちは、近大ICT農法を用いてメロンの立体栽培(空間を利用した栽培)を行い、農作物の栽培管理にICT(情報通信技術)を導入しています。ICTの導入により、農作業の負担軽減や作業時間の大幅削減が可能となります。

また、土壌センサーと連動させた装置によって、メロンの植物体に必要な水分と液肥が自動的に供給され、かつ、ハウス側窓の自動巻上げ機が温度センサーと連動し、自動的に開閉されることで温室内の温度がほぼ一定に保たれます。

マニュアル化されたメロン栽培の情報を活用することで、収穫量の増加と品質の安定化につながることが期待されます。情報はクラウドに蓄積され、スマートフォンなどで遠隔地でもデータを確認することができます。

「摘果メロン」発生の理由

メロンはキュウリと同じウリ科の植物です。キュウリと異なり、メロンの場合、果実の糖度を上げるために、1株でのメロン果実の個数を1玉にする必要があります。

受粉(ミツバチなどの利用)に成功した多くの子メロンが肥大成長しますが、一方で、糖度が分散してしまうため、甘いメロンができません。そのため、1玉の果実のみを残して、他の子メロンを摘果(間引く)する必要があります。このため、多くの摘果メロンが生じます。

「摘果メロン」の特徴

摘果メロンは、かすかにメロンの香り(主に、ウリの香りに近い)はしますが、果実は未成熟で、メロン本来の甘さはほとんどありません。摘果メロンの表面は、滑らかで網目模様はありません。

また、摘果メロンの大きさは握りこぶし程度であり、1個の重さは約200~300g程度で、球形もしくは楕円状の形をしています(多くは楕円状です)。私たちのメロン栽培システムでは、通常、1株で5個以上の摘果メロンが生じます。

これまでの活用方法

摘果メロンは、通常、不必要な部分として廃棄されてしまいます。私たちは、食品ロスの問題を解決するため、摘果メロンを無駄なく有効活用したいと考えました。

そこで、私たちは、摘果メロンを和歌山県のアドベンチャーワールドの動物(ゾウやサル類など)の食事として提供したり、ピクルスなどの加工品にするとともに、ゼミ学生が摘果メロンを用いたオリジナルのアレンジレシピを考案して新たな食材として有効活用しています。

皆さまへのひとこと

2017年から近大ICT農法を用いたメロン栽培が始まりました。農業未経験の学生諸君が定植から収穫までの一連の過程を学んでいます。

SDGs(持続可能な開発目標)の観点から、学生諸君が収穫した摘果メロンが有効活用され、かつ、皆様の癒しや笑顔に繋がれば、今までメロン栽培を行ってきて本当に良かったと思います。