生産者情報
2018年4月から、愛媛県愛南町で「河内晩柑(かわちばんかん)」のPRや商品開発に携わる中本健仁さん。河内晩柑に懸ける、真っ直ぐな熱い思いをお聞かせ頂きました。
中本さんのお取り組み
私は、2018年4月に、仕事をしていた東京から地域おこし協力隊として、愛媛県最南端の愛南町に移住してきました。
以来、町の特産柑橘である「河内晩柑(かわちばんかん)」のPRや商品開発などに携わるなど、地域の活性化を目指して個人でさまざまな事業を行っています。
河内晩柑について
河内晩柑とは、熊本県河内地方で偶然に見つかった品種で、柑橘の中では最も遅い3月下旬から旬を迎えます。非常に⻑い期間楽しむことができる柑橘で、最長で 8月〜9月頃まで出荷されています。
ちなみに、”河内晩柑”という名前の由来は、見つかった地域の「河内」と、晩生の柑橘ということに由来しています。
⻩金色の大きな実と、甘み・酸味のバランスの良い爽やかな味わいから、和製グレープフルーツともいわれる稀少な柑橘で、現在は愛南町が生産量の約半分を占めております。
“隠れ食品ロス”問題
実は、河内晩柑には「自然落下」による”隠れ食品ロス”という課題があります。
河内晩柑は、通常の柑橘と同様に 5 月に花が咲き実をつけ、冬の寒い時期を乗り越え、3 月下旬から出荷されますが、収穫前の冬の時期に、寒さや風の影響などで自然に落下してしまうことが非常に多いのです。
落下したものは商品にならないため、写真のように園地に放置されたままになってしまうのですが、1月〜3月頃に落下したものは十分に食べられます。
まだ食べられるのに、収穫されることなく捨てられてしまうロスがあることを、広く知っていただき、有効活用したいという思いで、落下した河内晩柑を原料とした商品・サービス展開も行っています。
落下した河内晩柑の品質
今回は、落下した河内晩柑を動物たちへのプレゼントに選んでいただきました。
河内晩柑は、皮や白いワタの部分が分厚い品種のため、落下しても中の実にほとんど 影響はありません。私自身も落下したものを食べますし、生搾りでお酒の割材にしたりと活用しています。
昨年は、東京のパティシエさんにゼリーの材料として活用いただいたり、規格外野菜の自宅配送サービスを展開する企業様に、落下の河内晩柑をラインナップいただいたりという実績もあります。
動物園に出荷する際にも、落下した河内晩柑を一つずつ洗浄し、落下時の生傷などチェックの上で出荷させていただきます。
皆さまへのメッセージ
河内晩柑は、一つ一つの実が大きく、稀少な柑橘なので、皆さまの応援している動物さんにも満足してもらえると思います。
また今回のプレゼントは、落下という食品ロス削減や地域の活性化にも繋がるものだと思っておりますので、ぜひご活用いただけたら嬉しいです!よろしくお願いします!